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環境マーケットレポート
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一転して12月中旬に温暖な気候と強風が予想される中、エネルギー・EUA・UKA価格は引き続き下落傾向

中央ヨーロッパの気温が平年を上回ったことでEUAが続落、直近14ヵ月の最安値に;2023年オークションの最終週にも関わらず、投資家のネットショートポジションは過去最高を更新中Redshaw社の見通し:横ばいから弱含み

  • EUAの終値は前週比5.3%減の68.62ユーロ。取引レンジは3.74ユーロに縮小(前週は6.07ユーロ)。売り圧力が主な要因。5日間の内、4日間で終値が始値を下回った。その結果、EUAは2022年10月以来の68.34ユーロまで下落。木曜に強気筋が一時的に反発を試みるも、すぐに終息。さらなる売り圧力で金曜に週の最安値近辺で引けた。
  • 日中平均ボラティリティは1.98ユーロに低下(前週は2.40ユーロ)

ヨーロッパ本土とイギリスで強い北風吹くも潤沢なガス供給で冬場の懸念が緩和、排出枠・エネルギー市場は後退

寒波続くも気温は週末には平年並みに;投資家のショートポジション、12月期限のオプション、12月期限の先物、発電のスプレッドの拡大、休催間近のオークションにより、価格予測はきわめて困難Redshaw社の見通し:横ばい

  • EUAの終値は前週比5.2%減の72.45ユーロ。取引レンジは6.07ユーロに拡大(前週は3.15ユーロ)。月曜の取引開始時点から弱気が支配、3ユーロ減の値をつけた。この弱気傾向は木曜まで続き、直近14ヵ月の最安値となる70.43ユーロまで下落。しかし、エネルギー市場が上向き、トレーダーが利益を得たことにより、金曜には強気筋が下落傾向を反転させた。
  • 日中平均ボラティリティは2.40ユーロに上昇(先週は1.76ユーロ)

ヨーロッパ全土とイギリスの気温が氷点下となって暖房需要が急増し、エネルギー・排出枠市場が上昇

EUAが直近1年の最安値から反発;気温の変化、風力発電量の減少、投機筋のショートポジションの急増が引き続きアップサイドリスクとなっているものの、実質的な反発の兆候はほとんど見られずRedshaw社の見通し:横ばい

  • EUAの終値は前週比0.3%増の76.46ユーロ。取引レンジは3.15ユーロに縮小(前週は4.43ユーロ)。週明けは弱含みで展開。3日連続で下落し、木曜に直近12ヵ月の最安値をつけた。これで潮目が変わり、バイヤーが戻って77.40ユーロまで回復したものの、金曜に取引は再び低調となり、月曜の高値77.80ユーロを大きく下回る77.19ユーロで引けた。
  • 日中平均ボラティリティは1.76ユーロに低下(前週は2.01ユーロ)

買い戻しが失速する中、風力発電量の増加が排出枠・エネルギー市場を圧迫

引き続き下落傾向の経済データ;オークションの終了が延長され、2023年のオークションは残り20回;直近に予想される天候の変化と投機筋のショートポジションの急増でアップサイドリスクが発生 Redshaw社の見通し:横ばい

  • EUAの終値は前週比 2.9%増の76.23ユーロ。取引レンジは4.43 ユーロに拡大(前週は4.02ユーロ)。EUAは週明けに76.17ユーロまで下落したが、買い意欲が高まり、その後は安定。取引データが示す過去最高のネットショートポジションにより、週半ばに80.30ユーロまで上昇した。しかし、その後、大きく反転。週内の上昇分はすべて消滅し、金曜には75.87ユーロまで値を下げて取引された。
  • 日中平均ボラティリティは2.01ユーロに微減(前週は2.07ユーロ)。

ボランタリー炭素市場 アウトルック 11月


否定的なマスコミ報道と管理体制の遅れがボランタリー炭素市場でクレジットの無効化を引き続き圧迫


    知っておくべきこと

  1. Redshaw AdvisorsがCarbon Forwardを共催。この年次会議の総括は後述
  2. CORSIAフェーズ1の標準商品の取引開始
  3. South PoleがカリバREDD+プロジェクトとの関係解消を発表
  4. コンプライアンス市場とボランタリー市場でカーボン・メカニズムの連携が進展

投機筋のショートポジションの増加とエネルギー・コンプレックスの低迷にも関わらず、排出枠市場はともに高値で終了;ストーム・デビでイギリスとヨーロッパ本土の一部で強風の予報

ファンドが3,000万トン相当のネットショートポジションを抱えていることから、ショートカバーがEUA価格上昇の鍵となる模様;風力発電量の増加が中央ヨーロッパでの寒冷な気温にともなう影響を相殺Redshaw社の見通し:横ばいから弱含み(しかし、ショートカバーとショートスクイーズで価格上昇の可能性)

  • EUAの終値は前週比1.3%増の78.50ユーロ。取引レンジは4.02ユーロに縮小(前週は4.76ユーロ)。EUAは週明けから低迷。水曜午前の取引で直近12ヵ月の最安値となる74.84ユーロまで下落。しかし、利食いで木曜に大きく反転し、77.69ユーロまで回復。金曜にさらに上昇し、週最高値となる78.86ユーロで終了。
  • 日中平均ボラティリティは2.07ユーロに低下(前週は2.26ユーロ)

爆弾低気圧キアランでヨーロッパ大陸とイギリスの再生可能エネルギー発電量が増加;弱気のファンダメンタルズと投機売りでEUAが2023年の最安値となる一方、肌寒い天気でUKAは堅調。

テクニカルな見通しが弱気に傾く中、EUAが2022年11月以来のレベルまで下落;風が強く温暖な天気が今後のエネルギー・コンプレックスをさらに圧迫。Redshaw社の見通し:弱含み

  • EUAの終値は前週比2.7%減の77.20ユーロ。取引レンジは4.76ユーロに拡大(前週は2.20ユーロ)。回復を試みるも、繰り返し売り意欲が高まり、ボラティリティの上昇とともに直近の下落傾向が継続。木曜に日中ボラティリティが高まると、直近12ヵ月の最安値となる76.24ユーロまで下落。これで買い意欲が高まり、同日取引終了前に79.06ユーロまで上昇。強気の反転パターンとなった。しかし、この傾向は持続せず、金曜に週最大の陰線が出現し、弱気が市場を支配した。
  • 日中平均ボラティリティは2.26ユーロに倍増(先週は1.23ユーロ)

潤沢なガス供給を受けてエネルギー・コンプレックスと排出枠市場で弱気が加速、フル貯蔵と温暖な気温で冬場の懸念が緩和の方向

エネルギー・コンプレックスが低迷する中、79.50ユーロを下回るテクニカルブレイクアウトに続いてEUAが直近4ヵ月の最安値を記録。電力需要が低下、工業生産が減速、さらに投機筋によるショートポジションが増加。一方、オークションによる供給量の減少で発電のスプレッドが改善。Redshaw社の見通し:弱含み

  • EUAの終値は前週比2.8%減の79.36ユーロ。取引レンジは2.20ユーロに縮小(前週は5.14ユーロ)。週を通して徐々に下落。上昇のわずかな兆しも売りに相殺され、週末に重要なテクニカルレベルである79.50ユーロを下回った。終値がこのレベルを下回ったことにより、直近のレンジからのブレイクアウトが確定。これは、さらなる下落を示唆している。
  • 日中平均ボラティリティは前週の2ユーロから1.23ユーロにほぼ半減。

ボランタリー炭素市場 アウトルック 10月


世界の気象イベントでカーボンクレジットを巡る公約と行動に進展


    知っておくべきこと

  1. アフリカ気候サミットでカーボンクレジット・プロジェクトに6億5,000万米ドル超の資金を調達
  2. 誤解を招く「グリーン製品表示」の禁止にEUが暫定合意
  3. COP28を前にパリ協定第6条に「著しい」進展
  4. マイクロソフトとアマゾンが大量のカーボンクレジットを購入することを発表

エネルギーとEUAの価格が引き続き下落-ヨーロッパ全土で温暖な天気が続いたことでガス貯蔵量が過去3年の最高水準に;スクイーズが続いてUKAが13%増

風力発電量が減少する中で気温は平年並みに80ユーロ前後のサポートレベルを堅持Redshaw社の見通し:横ばいから弱含み

  • EUAの終値は前週比1%減の80.61ユーロ。取引レンジは2.93ユーロに縮小(前週は4.56ユーロ)。火曜に下落し、週最安値となる79.50ユーロを記録。水曜に大きく反発し、82.59ユーロまで上昇。しかし、木曜と金曜に再び弱気が支配し、水曜の上昇分の大半が相殺された。
  • 日中平均ボラティリティは前週の1.71ユーロから1.67ユーロに低下。

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