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環境マーケットレポート
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最新レポート

季節的な電力需要の低下と投機売りが続く中で炭素・エネルギー市場は大きく後退。

2月末まで温暖が天気が続く見通し。発電のスプレッドは引き続きマイナス。Redshaw社の見通し:弱含み

  • EUAの終値は前週比2.9%減の57.11ユーロ。取引レンジは3.64ユーロに大きく縮小(前週は6.25ユーロ)。週明けに55ユーロのサポートレベルまで急落。その後買い意欲が高まり、ガス価格が安定したため、やや回復。しかし、金曜のセッションで弱気が優勢となり、全般的に弱気配で推移。
  • 日中平均ボラティリティは前週の2.11ユーロから2.33ユーロに微増。

平年を上回る気温で電力需要が低下する中、炭素・エネルギー市場は大きく後退。

温暖な天気が続き、投機家がショートポジションを積み増してガス市場が低迷。並行してEUA市場で売り圧力が再び上昇。Redshaw社の見通し:弱含み

  • EUAの終値は前週比7.4%減の58.80ユーロ。取引レンジは6.25ユーロに拡大(前週は3.92ユーロ)。週前半3日間は62~64ユーロの値幅での取引。しかし木曜に弱気の勢いが増し、狭まる値幅を下回ってブレイクアウト。その後、直近23ヵ月の最安値となる58.20ユーロまで下落し、週後半2日間は売りが強まった。
  • 日中平均ボラティリティは2.11ユーロに低下(前週は2.57ユーロ)。

LNG供給停止のニュースを受けて排出枠・エネルギー市場が反発、今後は気温も風力発電量も低下の見通し。

ガス・電力とともにEUAの価格も安定。しかし値動きは直近の範囲内。中央ヨーロッパと北欧に再び寒波。投機家の動きが鈍化。Redshaw社の見通し:横ばい

  • EUAの終値は前週比0.6%増の63.50ユーロ。取引レンジは3.92ユーロに縮小(前週は5.57ユーロ)。EUA価格に方向性なし。弱気・強気、いずれも優勢とはならず、61.23~65.15ユーロの範囲で保ち合い。火曜と水曜にやや上昇するも、木曜はほぼ全面的に反転。金曜は値動きが前日の範囲に収まり、インサイドデイとなった。
  • 日中平均ボラティリティは2.57ユーロに低下(前週は2.84ユーロ)。

炭素・エネルギー市場で下落傾向続くもEUでの売りの強さは緩和の方向

ヨーロッパ全土で気温が上昇する中、風力発電量の低下でガス・排出枠の需要は安定化。投機家が引き続きショートポジションを積み増し。Redshaw社の見通し:横ばいから弱含み

  • EUAの終値は前週比0.5%減の63.10ユーロ。取引レンジは5.57ユーロに拡大(前週は5.06ユーロ)。価格が上下に変動する週となった。直近22ヵ月の最安値となる60.86ユーロでスタート。テクニカルな買いと利食いによる強力なサポートが発生し、週半ばに66.11ユーロまで上昇したが、その勢いは持続せず、売り圧力が高まり、始値とほぼ変わらない水準で引けた。
  • 日中平均ボラティリティは2.84ユーロに上昇(前週は2.33ユーロ)。

EUAとエネルギー・コンプレックスが引き続き低迷する中、ヨーロッパの厳しい寒波も価格の下支えにはならず

エネルギー・コンプレックスの低迷でEUAが続落。ヨーロッパは再び気温が上昇して風の強い天気に。投機家がショートポジションを積み増し。Redshaw社の見通し:弱含み

  • EUAの終値は前週比3.6%減の63.42ユーロ。取引レンジは半分以上縮小して5.06ユーロに(前週は11.47ユーロ)。価格が67.52ユーロに急騰したことを受け、強気が支配して週がスタート。しかし、火曜から水曜にかけて再び弱気が優勢となり、月曜の上昇が反転。その後、さらに62.86ユーロまで下落するも、木曜と金曜は62.46~64.35ユーロの間でやや安定した。
  • 日中平均ボラティリティは2.33ユーロに低下(前週は3.15ユーロ)。

ボランタリー炭素市場 アウトルック 1月


12月のカーボンクレジットの無効化量、2023年で初めて発行量を上回る


    知っておくべきこと

  1. 12月のカーボンクレジットの無効化量、2023年で初めて発行量を上回る。
  2. イギリス政府がGHG除去のビジネスモデルとBECCSプロジェクトを検討。
  3. パリ協定第6条第4項メカニズムへの移行に向け、CDMに登録されたカーボン・プロジェクトの申請がすべて完了。
  4. パリ協定第6条に基づくカーボンクレジットにプレミアム価格で取引される見通し。

ヨーロッパ全土の寒波で需要増加するも市場は反応せず、ガス・電力価格に加えて炭素価格も下落

中央ヨーロッパと北欧諸国は依然として氷点下の気温。一方、南ヨーロッパの天候は平年並みに。オークションの再開で弱気圧力上昇か。Redshaw社の見通し:弱含み

  • EUAの終値は前週比13.6%減の65.81ユーロ。取引レンジは再びほぼ倍増して11.47ユーロに(先週は6.66ユーロ)。2週連続で取引開始から弱気が支配し、月曜に4ユーロ減の72.05ユーロまで値を下げた。火曜にはやや安定の兆候が見られたが、それも持続せず、週の後半3日間は弱気が支配。金曜にわずかに反発したももの、週最安値となる64.73ユーロで引けた。
  • 日中平均ボラティリティは3.15ユーロに上昇(全週は2.69ユーロ)。

寒冷前線の影響で石炭・ガス価格上昇するも休日中のショートスクイズが終了して炭素価格は下落

今週寒波に見舞われたヨーロッパで北欧の一部が-40℃以下に投機筋のショートポジションが12月に急減したものの、オークションの再開が迫る中、先週の価格動向を見ると、投資ファンドは売りに転じる見通しRedshaw社の見通し:横ばいから弱含み

  • EUAの終値は前週比5.1%減の76.14ユーロ。取引レンジは6.66ユーロに3倍増(前週は2.10ユーロ)。エネルギー価格は上昇しているものの、弱気が支配する中で売り圧力が年初に急増。その結果、初日に81.25ユーロから74.59ユーロまで値を下げたが、その後、74.83~78.29ユーロの範囲で保ち合いとなった。
  • 日中平均ボラティリティは2.69ユーロに上昇(先週は1.02ユーロ)。

暖冬と強風でエネルギーコンプレックスが続落オークション休催を控えて炭素価格は安定

2023年最後のオークションは月曜開催;4週間のオークション休催を前に下落傾向が鈍化;大きく反転するリスクは潜在Redshaw社の見通し:横ばい

  • EUAの終値は前週比1.5%減の67.57ユーロ。取引レンジは4.17ユーロに拡大(前週は3.74ユーロ)。5セッション中、3セッションで強気の展開となったが、木曜に再び弱気が支配し、急落。その結果、EUAは70.16ユーロから2022年3月以来のレベルとなる65.99ユーロまで下落した。この下落はガス価格とEUの電力価格が直近2年の最安値となった時期と重なっている。しかし金曜にはサポートが出現し、やや値を取り戻した。
  • 日中平均ボラティリティは2.47ユーロに上昇(先週は1.98ユーロ)。

ボランタリー炭素市場 アウトルック 12月


無効化量は急増したものの、市場は依然として供給過剰状態


    知っておくべきこと

  1. 取引量は減少しているものの、売買されるクレジットの価格は堅調に推移。
  2. パリ協定第6条についてはCOP28での進展なし。
  3. 欧州議会が炭素除去認証の枠組を承認。
  4. UAEのデペロッパ―、Blue Carbonがアフリカ諸国と了解覚書に署名。
おことわり:先週閉幕したCOP28の報告があるため、今月のVoluntary Carbon Market Outlook は発行が遅れました。

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